仲裁の意義

 それでは、具体的に、仲裁とは何かを説明していきます。

 まず、仲裁とは、当事者が、私人である第三者をして争いを判断させ、その判断に服することを合意し(「仲裁合意」と呼びます)、その合意に基づき紛争を解決する、法によって認められた(仲裁法)制度です。

 すなわち、たとえば、貴社とA社との取引において紛争が発生し、その紛争の解決のために、甲さん(「仲裁人」と呼びます)の判断に貴社とA社の双方が従うということです。

 そして、この甲さんの判断(「仲裁判断」と呼びます)には、法律により確定判決と同一の効力が認められています(仲裁法45条)。従って、たとえば、甲さんが、「A社は貴社に対し2千万円支払え」という仲裁判断をしたが、A社がそれを任意に履行しない場合には、貴社は裁判所の強制執行手続によってA社の財産から2千万円の支払いを受けることができます。

 一方、貴社との仲裁合意があるにもかかわらずA社が裁判所に提訴した場合には、貴社がその仲裁合意の存在を主張すれば、わが国では訴えは却下されます。すなわち、A社の裁判所に対する申立ては門前払いとされます。因みに、米国では裁判手続の停止(stay)が認められます。このように仲裁は、裁判に代わる紛争解決制度と考えられています。

 この仲裁制度は、あまり一般には知られていないようですが、裁判と並ぶ強制的紛争解決手段といえます。但し、裁判との本質的な違いは、仲裁が、当事者の合意により創設された私的裁判所による、自主的な紛争解決を目的とする制度であるということです。

仲裁による解決方法


仲裁による解決方法