費用
仲裁費用の内訳
仲裁費用は大きく分けて「仲裁人報償金・経費」「管理料金」「代理人その他専門家の報酬及び経費のうち仲裁廷が合理的と認めるもの」「仲裁手続のための合理的な費用」の4つになります。
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仲裁人報償金・経費
仲裁人報酬金
仲裁人報償金は時間単価制か固定額になります。仲裁人報償金は当事者双方から納付頂く予納金から支払われます。
- UNCITRAL仲裁規則の場合
- 時間単価500米ドルから1500米ドルの間でJCAAが決定
- 仲裁人報償金の上限なし
- 時間単価の逓減なし
- 商事仲裁規則の場合
- 時間単価5万円 (消費税を含まない)
- 請求金額に応じて報償金の上限あり
- 使用時間が150時間を超過したときは、その後の時間単価は、当初時間単価の50%を限度として、50時間毎に当初時間単価の10%ずつ逓減
- 仲裁廷の成立前であれば、すべての当事者の合意により、報償金の計算方法について変更することができる
- インタラクティヴ仲裁規則の場合
- 請求金額に応じた固定額
- 仲裁廷の成立前であれば、すべての当事者の合意により、報償金の計算方法について変更することができる
商事仲裁規則及びインタラクティヴ仲裁規則が適用される事件については、仲裁廷の成立前に限り、すべての当事者の書面による合意により、仲裁人報償金の計算方法について変更することができます。
仲裁人経費
仲裁人が作業をする中で下記項目の実費が発生した場合には、当事者双方から納付頂く予納金から支払われます。
- UNCITRAL仲裁規則の場合
- 合理的な宿泊費その他の経費
- 商事仲裁規則の場合
- 交通費(航空運賃はビジネスクラス料金とし、 他の交通手段においてもこれに相当するクラスの料金とする。)
- 郵便、クーリエ、電話、コピーその他事件の特性により合理的に必要な経費としてJCAAが認めるもの
- 仲裁人補助者の報酬及び費用
- 宿泊を必要とする場合には、宿泊費(食事代その他の費用を含む。)として、1泊あたり6万円
- インタラクティヴ仲裁規則の場合
- 交通費(航空運賃はビジネスクラス料金とし、 他の交通手段においてもこれに相当するクラスの料金とする。)
- 郵便、クーリエ、電話、コピーその他事件の特性により合理的に必要な経費としてJCAAが認めるもの
- 宿泊を必要とする場合には、宿泊費(食事代その他の費用を含む。)として、1泊あたり6万円
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管理料金
仲裁機関の手数料として、紛争金額に応じた金額を申立人(反対請求については、反対請求申立人)に申立時の段階でお支払い頂きます。 -
代理人その他専門家の報酬及び経費のうち仲裁廷が合理的と認めるもの
各当事者が、主張・立証活動のために支出した代理人弁護士の報酬・費用、必要な専門家・証人などの費用、通訳・翻訳費、交通費その他の費用があります。 -
仲裁手続のための合理的な費用
JCAAが、当事者からの依頼があり、審問会場や通訳者の手配等の各種サポートを行ったことにより、JCAAが支払うこととなった実費(会場代、通訳料等)は、当事者双方から納付頂く予納金から支払われます。
紛争金額に応じた管理料金と仲裁人報償金の例
各規則、紛争金額ごとの管理料金及び仲裁人報償金(商事仲裁規則の場合は上限額、インタラクティヴ仲裁規則の場合は固定額)は以下より御確認頂けます。
費用の計算
規則
仲裁人の数
請求金額(円)
費用の計算結果
- 規則:UNCITRAL仲裁規則
- 仲裁人の数:2人
- 請求金額(円):00000000円
管理料金
00000000円
仲裁報償金
テキストが入ります
(注)
上記の金額には、以下は含まれておりません。
- 管理料金及び仲裁人報償金にかかる消費税
- 仲裁人の交通費等の仲裁人経費
- その他、仲裁手続のための合理的な費用
仲裁費用の負担割合
実際に発生した仲裁費用を、いずれの当事者がどのような割合で最終的に負担するかは、仲裁手続終了時、つまり、仲裁廷が、仲裁判断又は仲裁手続終了決定を下す際に決定をします(ただし、仲裁廷成立までに申立人が仲裁申立てを取り下げた場合は、JCAAが、管理料金及び仲裁手続のための合理的な費用の負担割合を決定します)。
その負担割合の決定の結果として、一方当事者が、自らの負担割合を超えて費用を支払っていた場合、仲裁廷は、当該当事者に対して、相手方当事者がその超過部分を支払うべき旨の判断を合わせて下すことになります。
仲裁費用をうまくマネジメントするポイント
ICCの2015年のレポートによると、ICC仲裁事件における対象期間中のデータという限定付きではあるものの、弁護士費用が仲裁費用全体の8割以上を占めていることがわかります。弁護士費用及び仲裁人報償金をうまくマネジメントすることが、仲裁費用を低減することにつながります。
ICC Commission Report, Decisions on Cost International Arbitration (2015)
仲裁費用を抑えるための工夫は、仲裁条項を作成する段階から始まります。例えば、仲裁人の数を1人と合意しておく、さらに、迅速仲裁手続を利用することを合意して手続をコンパクトにする、などです。
また、実際に紛争が生じた場合には、当事者間で協力の上で事案の争点を早期に明確にすることや、仮に審問を開催する際はオンライン技術を積極的に活用することも手続の簡素化と費用の低減につながります。
JCAAは、単独仲裁人を選任する際の当事者からの丁寧な意見聴取、迅速仲裁手続において規則どおりの期限内に仲裁廷が仲裁判断を下すための工程管理と仲裁判断書ドラフトの迅速なレビューを含めた手続管理、オンライン審問のホストを含めた審問開催のための各種アレンジ等を通じて、JCAA仲裁利用者が仲裁費用をうまくマネジメントすることができるように最大限のサポートを致します。さらに、争点を早期に明確することに特化して審理のさらなる効率化を目指すインタラクティヴ仲裁規則をご利用頂くのも有効な選択です。