ロゴ:一般社団法人 日本商事仲裁協会 JCAA

仲裁

数字で見るJCAA

申立件数

2020年から2024年までの申立て件数は計80件です。このうち、いずれかの当事者が外国企業又は外国企業の日本子会社である事件(以下、本統計においては「国際事件」)は88%(71件)になります。

暦年 申立件数
2020 18
2021 15
2022 19
2023 9
2024 19

迅速仲裁

2021年の商事仲裁規則改正後、迅速仲裁手続が適用された事件は、23件です。

緊急仲裁

2019年以降、緊急仲裁手続の申立ては、5件(うち、4件は国際事件)です。

当事者の国籍

2020年から2024年までに申立てられた仲裁事件について、当事者の国・地域は25に及びます。最も多く当事者となった上位5カ国・地域(日本を除く)は、中国、ベトナム、米国、韓国、台湾とUAEが同数です。

グラフ:当事者上位5カ国・地域

グラフ:当事者上位5カ国・地域
申立人 被申立人 合計
アメリカ州
1 米国 3 4 7
2 イギリス領バージン諸島 1 1 2
3 チリ 0 2 2
アジア・太平洋
4 日本 53 43 96
5 中国* 8 17 25
6 ベトナム 1 7 8
7 大韓民国 2 4 6
8 アラブ首長国連邦 2 2 4
9 台湾 0 4 4
10 インド 2 0 2
11 サウジアラビア 1 1 2
12 シンガポール 2 0 2
13 タイ 1 1 2
14 マレーシア 1 1 2
15 フィリピン 0 2 2
16 レバノン 1 1 2
17 イスラエル 0 1 1
18 インドネシア 0 1 1
ヨーロッパ
19 イタリア 2 1 3
20 英国 0 2 2
21 オランダ 1 0 1
22 キプロス 1 0 1
23 スイス 1 0 1
24 フランス 0 1 1
25 ルクセンブルク 0 1 1

*中国メインランドが15(申立人: 3、被申立人: 12)、香港が10(申立人: 5、被申立人: 5)

手続言語

2020年から2024年に申し立てられた国際事件のうち、手続言語が英語の割合は58%です。中国語の事件も取り扱っています。

当事者が日本語を手続言語として選択する例としては、例えば、中国企業と日本企業が当事者となる紛争が挙げられます。

グラフ:国際仲裁事件における手続言語

仲裁人の国籍

2020年から2024年の間に、国際事件において、78名の仲裁人が選任され、そのうちの41%が外国籍の仲裁人です。

グラフ:国際仲裁事件における仲裁人の国籍

手続言語が英語の事件においては、64%が外国籍の仲裁人です。

グラフ:手続言語が英語の仲裁事件における仲裁人の国籍

2020年から2024年の間に選任された仲裁人の国籍は15カ国に及びます。いわゆる大陸法系と英米法系の仲裁人がバランスよく選任されています。

グラフ:外国籍仲裁人の国籍

緊急仲裁人の国籍

国際事件でJCAAが選任した緊急仲裁人4名はいずれも外国籍(オーストラリア、英国、台湾)です。

手続期間

JCAAにおいては、迅速に紛争が解決されています。

2021年の規則改正以降に迅速仲裁手続が適用された事件では、約7割の事件で、規則で指定された期限内(紛争金額により、仲裁廷成立から3カ月または6カ月)に仲裁判断が下されています。

緊急仲裁手続については、全ての事件で期限内(緊急仲裁人の選任から2週間)に決定が下されています。

2020年から2024年に仲裁判断で終結した仲裁事件において、平均手続期間(仲裁廷成立日から仲裁判断日まで)は9.9か月です。この期間には、JCAAによる仲裁判断草案の審査期間も含まれています。

グラフ:仲裁廷成立日から仲裁判断日までの平均所要月数

2020年から2024年の間に終結した仲裁事件のうち35%は、仲裁手続開始後、仲裁廷成立前に当事者間で和解が成立したこと等を理由に仲裁申立てが取り下げられています。また、11%の事件で、和解の内容に基づく仲裁判断が下されています。

グラフ:手続期間(終結区分)

請求金額

きわめて幅広い請求金額でJCAAをご利用頂いています。

2020年から2024年に終結した仲裁事件において、請求金額が3億円以下の申立てが全体の57%5000万円以下の事件が全体の23%です。紛争金額の最低額は約500万円です。他方、紛争金額の最高額である約8000億円を含め、紛争金額が100億円を超える複雑案件も多く取り扱っています。

グラフ:請求金額別申立件数の割合

セクター

2020年から2024年に申立てられた仲裁事件において、機械製造、ファッション・食品・小売が約半数を占めるほか、多様な業種の紛争を取り扱っています。

グラフ:セクター

オンライン技術の活用

JCAA仲裁事件の多くで、オンライン技術を活用した会合(証人尋問を含む)が開催されています。オンライン会合の割合は、コロナ禍が明けた2024年においても、85%(うち完全リモートが75%)を超えています。

グラフ:オンライン技術の活用

仲裁判断の承認・執行

JCAAが把握する限り、2020年から2024年の間に日本及び外国(中国、ベトナム、インドネシア、タイ)で仲裁判断の執行が申し立てられた事件では、いずれも仲裁判断の承認・執行が認められています。