仲裁手続の流れ
JCAAにおける仲裁手続の一般的な流れをごく簡単にご紹介します。
具体的な流れにつきましては、模擬国際仲裁セミナーの動画も参考にしてください。
Step 1仲裁の申立て
申立人
- 仲裁申立書Word及び仲裁合意を含む契約書の写しをJCAAに提出します。
- 代理人をつける場合は、委任状Wordもご提出ください。
- 申立書の提出方法などについては、こちらをクリックし、「2.仲裁の申立てについて」をご確認ください。
JCAA
- 申立人に対して、管理料金をご請求致します。管理料金の金額は、申立書に記載された請求の経済的価値に応じて算出されます。詳細は、費用を御確認ください。
- 管理料金の入金を確認したのち、被申立人に対し、仲裁申立ての通知をお送りします。
- 仲裁申立ての通知をお送りする際、1回目の予納金(仲裁人報償金、仲裁人経費その他仲裁手続のための合理的な費用に充当されるもの)を当事者にご請求します。 予納金の金額の目安は、次のとおりです。
商事仲裁規則の場合
当事者間において仲裁人の数を3人とする合意がある場合は申立人と被申立人に各300万円ずつ、それ以外の場合は原則として各150万円ずつです。
インタラクティヴ仲裁規則の場合
仲裁人の数について既に当事者間で合意がある場合は、仲裁人報償金(請求金額に応じた固定額)の全額を賄うに足りる金額を申立人と被申立人にご請求します。仲裁人の数について合意がない場合は、この段階では、1人分に対応する金額をまずはご請求します。その後、仲裁人の数が3人となった場合には、その段階で追加の予納金をご請求します。
被申立人
Step 2仲裁人の選任
仲裁人の選任手続は、大きく分けて、「仲裁人の数を確定すること」と、「確定した人数分の仲裁人を選任すること」の2つの段階があります。全ての仲裁人が有効に選任された段階で、「仲裁廷が成立」することになります。
1.仲裁人の数を確定します。
- 仲裁人の数について当事者に合意がある場合
合意した数で確定します。 - 仲裁人の数について当事者に合意がない場合
- 原則として、仲裁人の数は1人となります。
- 仲裁人の数を3人とすることを希望する当事者は、JCAAに対し、仲裁人の数を3人とすることを要請することができます。JCAAが、いずれかの当事者の要請に応じ、仲裁人の数を3人とすることを決定したときは、仲裁人の数は3人となります。
迅速仲裁手続が適用される場合
仲裁人の数は1人となります(当事者が別の人数を合意しない限り)。
2.仲裁人を選任します。
- 仲裁人の数が1人の場合
全ての当事者が合意により、1人の仲裁人を選任します。 - 仲裁人の数が3人の場合
申立人が1名、被申立人が1名の仲裁人を選任し、選ばれた2名の仲裁人が第三仲裁人を選任します。
*JCAAは、当事者が仲裁人を選任する際の一助とするため、当事者からのご依頼があれば、事案に通じた経験豊かな仲裁人候補者複数名を当事者にお知らせします。
*当事者が仲裁規則の期限内に仲裁人を選任できない場合は、JCAAが代わりに仲裁人を選任します。その際、原則として、当事者に複数名の候補者をお知らせし、その順位等も考慮して選任します。
3.仲裁人を選任した当事者は、下記の書類をJCAAに送付します。
- 仲裁人選任の通知書
- 両当事者が合意で仲裁人を選任する場合Word
- 各当事者が仲裁人を選任する場合Word
- 当事者選任仲裁人が第三仲裁人を選任する場合Word
- 仲裁人就任受諾書及び公正独立表明書Word
Step 3審理予定の策定
仲裁廷成立後、仲裁廷は、準備会合、ビデオ会議その他の方法により、当事者と協議したうえで、審理予定表を作成し、その事件に適用される手続ルールを定めます。
Step 4主張書面・書証等の提出
審理予定表に記載されたスケジュールに従って、当事者は自らの主張を記載した書面及びこれを立証するための証拠等を提出します。
インタラクティヴ仲裁規則が適用される場合
仲裁廷は、当事者に対し、当事者の主張及び暫定的な争点を記載した書面を提示し、当事者の意見を求めます。さらに、仲裁廷は、遅くとも審問開催の要否を決定する前に、当事者に対し、重要な争点についての暫定的な見解を提示し、当事者の意見を求めます。
Step 5審問
いずれかの当事者からの要請があった場合、又は、仲裁廷が適当と判断する場合は、当事者による口頭での意見陳述や証人に対する尋問等を行うための「審問」が開催されます。審問を開催する日時や開催方式(オンラインか、会議室に集まるか、など)、場所などについては、当事者と協議の上、仲裁廷が決定します。
迅速仲裁手続が適用される場合
審問は開催されません(仲裁廷が必要と認めた場合、あるいは、全当事者が開催を合意した場合を除きます)。
Step 6仲裁判断
- 仲裁廷が、仲裁申立書及び反対請求申立書において申し立てられた請求について判断し、仲裁判断書を作成します。また、仲裁廷は、仲裁費用の負担割合についても決定し、仲裁判断書に記載します。
- 仲裁判断は最終的で、当事者に拘束力を有します。
- 完成した仲裁判断書は、JCAAから、各当事者に送付されます。
迅速仲裁手続が適用される場合
仲裁判断は、仲裁廷成立から6か月以内(紛争金額が5000万円以下の場合には3か月以内)に下されます。